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【福島県古殿町・南相馬市】豊国酒造・haccobaが共同醸造プロジェクト開始!オール福島の取組として展開

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(左から1番目)豊国酒造・矢内氏、(中央)泉屋・佐藤氏、(右から2番目)haccoba・佐藤氏

福島県石川郡古殿町の「豊国酒造」と同県南相馬市の「haccoba(はっこうば)」は、清酒とクラフトサケの“境界”をテーマにした共同醸造プロジェクトを始動する。

1%の違いで酒は変わる

日本酒は、長い年月をかけて磨かれ、受け継がれてきた発酵文化である。一方で、その定義は制度によって明確に線引きされている。「豊国酒造」と「haccoba」がともに向き合うのは、その“境界”そのものだという。

「豊国酒造」が挑戦するのは、麹歩合99%の清酒。「haccoba」が挑戦するのは、麹歩合100%のクラフトサケ。数字だけを見れば、その差はわずか1%だ。しかし、その1%をまたぐことで酒は別の呼ばれ方をし、別の制度に位置づけられる。

米麹(提供:豊国酒造)

1%という小さな違いの中には、日本の酒づくりが積み重ねてきた歴史と、これから広がっていく可能性の両方が詰まっている。共同醸造プロジェクトでは、その境界を机上の議論ではなく、実際の酒として立ち上げ、味わいとして体験できる形で届けていくのを目的にしている。

製麴の様子(提供:豊国酒造)


プロジェクトの象徴となるのが、両者による「共同製麹」。5月に、「haccoba」のメンバーが豊国酒造を訪れ、蔵人とともに製麹を行う。その麹を起点として、「豊国酒造」では清酒免許の範囲内で「99%麹酒」を仕込む。

さらに後日、「豊国酒造」のスタッフを「haccoba」に迎え、同じく共同で製麹を実施。その麹を起点として、「haccoba」では「100%麹酒」を仕込む。

同じように麹をつくり、同じように発酵と向き合いながら、最後には異なるカテゴリーの酒として立ち上がる。今回の取り組みは単なるコラボレーションではなく、制度上の定義の内側と外側を往復しながら、発酵そのものをともに見つめ直す試みとして実施される。

清酒とクラフトサケが手を取り合うためのプロジェクト

「豊国酒造」の「一歩己」を飲み交わす様子

共同醸造プロジェクトは、清酒とクラフトサケを対立させるためのものではなく、「豊国酒造」と「haccoba」がそれぞれの立場から酒づくりに向き合い、互いの領域に敬意を払いながら、発酵文化の地平を少しだけ広げてみるための取り組みだ。

制度の内側には守られてきた技術と思想があり、制度の外側にはまだ名前のついていない自由がある。そのどちらが優れているかではなく、そのあいだを行き来することでしか見えない景色があり、福島という土地で酒を醸す者同士だからこそできる、新しい対話のかたちを、この二つの酒に託したいという。

また、同プロジェクトでは「豊国酒造」と「haccoba」だけでなく、福島県内の酒販店や研究機関も賛同している。酒はつくるだけでは文化にならず、誰が支え、誰が届け、誰が語り、誰がその価値を受け取るのかという営みまで含めて、はじめて酒は土地に根づいていく。

福島の蔵、福島の研究機関、福島の酒販店がともに手を取り合うことで、清酒とクラフトサケという異なる領域のあいだに、新しい関係性を育てていきたいと、同プロジェクトは考えている。オール福島で、日本酒の未来をひらくプロジェクトだ。

第一弾は、豊国酒造で仕込む「99%麹酒」

プロジェクトの製品第一弾は、5月に「豊国酒造」にて共同製麹・仕込みを実施する「99%麹酒」を醸造予定だ。その後、「haccoba」にて「100%麹酒」を仕込み、二つの酒を連続したプロジェクトとして展開していく。

まずは、清酒免許の内側で立ち上がる「99%麹酒」を通して、“たった1%の違い”が持つ意味を世の中に投げかけていくという。そしてその先に、「haccoba」が醸す「100%麹酒」が続くことで、境界の向こう側にあるもうひとつの景色も提示していく予定だ。

第一弾の「豊国酒造」で醸造する「99%麹酒」については、郡山市の「泉屋」、伊達市の「根本安治酒店」が中心になり流通を担う予定。さらに、福島県ハイテクプラザの全面的な技術支援も受けながらプロジェクトが進められていく。

福島県で取り組まれる、日本酒の新たな魅力を切り開く共同醸造プロジェクトに注目だ。

■豊国酒造
住所:福島県石川郡古殿町竹貫字竹貫114
HP:https://azuma-toyokuni.com

■haccoba
住所:福島県南相馬市小高区田町2-50-6
HP:https://haccoba.com

(ASANO)

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